1910年代、連続活劇ブーム

1910年代、映画の草創期。フランスで大衆の心をつかんだのは「連続活劇」でした。探偵や悪漢などを主人公にして、彼らの活躍を描く映画シリーズです。中でも有名なのは、変幻自在の黒マスクの怪盗ファントマを主人公とする「ファントマ」シリーズ。

「ファントマ」の監督は、ゴーモン社で製作総責任者として働きながら、800本もの映画を製作したルイ・フイヤード。連続活劇のブームを作り、「ファントマ」以外にも「ドラルー」「ジュデックス」といった代表作があります。善と悪の登場人物が変装して入り乱れ、単なる犯罪ものにとどまらないファンタスティックな作風が現在も評価されています。

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連続活劇「ドラルー」では、美しい女盗賊イルマ・ヴェップが登場します。黒絹のぴったりとした衣装に身を包み、エロティックな魅力で観客を魅きつけました。イルマ・ヴェップを愛好する映画人は多く、ジャック・リヴェット監督の「セリーヌとジュリーは舟でゆく」では、ヒロインがイルマそっくりの格好をするシーンがあるほか、オリヴィエ・アサイヤス監督は「イルマ・ヴェップ」という作品を撮っています。

日本でも、明治末期から大正初期にかけて、ヴィクトラン・ジャッセ監督の連続活劇「ジゴマ」が若者を中心に熱狂的な人気を呼びました。映画をまねた犯罪が起こるのを恐れて、上映禁止になったのは有名な話です。




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