フランスの“フィルム・ノワール”

フィルム・ノワール”という名称は、1940〜50年代にアメリカで製作された犯罪映画に対して、フランスの批評家たちが命名したものです。フランスでもそれらの作品に影響を受けて、1950〜60年代、“フィルム・ノワール”の映画がさかんに作られました。

フランスで、“フィルム・ノワール”のブームとなった最初の作品は、ジャック・ベッケルの「現金に手を出すな」。しかし、ジャック・ベッケルは、二本目のフィルム・ノワール「穴」の撮影直後に病に倒れ、亡くなってしまいます。刑務所からの脱獄を図る5人の男たちを描いた「穴」は大ヒットとなり、実体験をもとに原作を書いたジョゼ・ジョヴァンニも一躍有名になりました。

▼ ジャック・ベッケル監督作品
現金に手を出すな
現金(ゲンナマ)に手を出すな〈デジタルニューマスター版〉

穴〈デジタルニューマスター版〉

ジャック・ベッケルが亡くなり、“フィルム・ノワール”の美学を完成させたのは、ジャン=ピエール・メルヴィル。「いぬ」、「サムライ」、「仁義」などに代表されるメルヴィルの作品は、男の友情や裏切り、義理人情が重要なモチーフとして描かれ、犯罪にかかわる男たちの孤独でクールな世界が造形されています。

▼ ジャン=ピエール・メルヴィル監督作品
いぬ
いぬ
サムライ
サムライ
仁義
仁義

また、“フィルム・ノワール”といえば、ジャン・ギャバン、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ジャン=ポール・ベルモンドといったフランス映画界のスターの競演が楽しめるのも特長です。




フランス映画史  HOME